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取引の段階になると、素早い手続きの方が好まれるからだ。
今でこそ売り上げが大きく伸びた情報機器が主力事業として語られることが多い。
それでも依然として、一眼レフカメラ「EOS」やコンパクトタイプのデジタルカメラ「IXY」などの製品ブランド、そしてカメラ・メーカーとしての企業ブランドは、世界的に高い評価を得ている。
同社は、企業ブランドのの価値を高める活動の一環として、Webサイト上の「Cカメラミュージアム」に早くから取り組んできた。
そこで当時は、GIFアニメーションで製造工程の"動き"を見せていた。
例えば、ガラス原料の溶解炉をズームアップしたり、炉の中を撹枠(かくはん)する様子を、連続写真を用いたGIFアニメで、なんとなく動きが分かる程度に見せていた。
こうした先代のコンテンツを、今回、FlashVideo形式の映像コンテンツを用いてリニューアルした。
映像の解像度は320×240ピクセル、フレームレートは地上波テレビ放送と同じ1秒当たり30フレーム。
画像や映像を美しく表現する技術は、同社の事業の中核をなすものである。
だからこそ、「画質はもちろん、内容も含めて、映像のクオリティにはこだわった」と、コーポレートコミュニケーションセンターのウェブコミュニケーション部ウェブプロダクション課課長代理のA氏は説明する。
同氏は、今回のリニューアルの取りまとめを担当した。
「Web用の映像だからといって、クオリティを落とせば、視聴者に手抜きという印象を与えてしまう。
テレビ番組と同じくらいの画質や内容でなければならない。
Web上の映像コンテンツ制作としては、少し多めの予算を確保した」(赤松氏)。
制作コストは、取材・撮影から、編集やWebコンテンツ化、公開作業に至るまでのトータルで数百万円程度だったという。
実際の見学が難しい製造工程をバーチャルで見せる制作は、製造現場の映像コンテンツについての経験が豊富なプロダクションに外注し、テレビ番組でも使えるクオリティのコンテンツに仕上げた。
「アナログ地上波テレビ放送と同じSD(標準解像度)で撮影しているので、そのままDVD化したり、テレビ放送向けに素材提供しても問題ない」(赤松氏)。
また、「数年間は視聴されることになるので、その間に一般的なWeb上の映像コンテンツのレベルが高まっても、見劣りしないようにしたかった」(赤松氏)というのも、クオリティにこだわった理由の一つだ。
何年後かに再度リニューアルする際には、「HD(高解像度)で撮影することになるのではないか」(赤「バーチャルレンズエ場」には、製造工程を"見学するメインのコンテンツのほかにも、「インタビュー」「レンズギャラリー」といったコンテンツを用意した。
「バーチャルレンズエ場」では、宇都宮工場の建物に入るCG(コンピューター・グラフィックス)からスタートして、ガラス材料がレンズに加工され、製品として組み立てられるまでの工程を見学できる。
実際には、材料加工などはほかの工場で行われているが、一貫した工程の流れとして見ることができる。
これは、バーチャル見学ならではである。
見学は、「やはり工場に行かなくては」と考える人もいるだろう。
しかし、工場見学に向く工場と向かない工場がある。
例えば、お菓子工場のように、目で見て製造工程が理解でき、速いテンポで連続的に稼働する工場であれば、実際の製造ラインを見てもらう方式が向く。
ところがレンズ製造は、実際の工場見学には向かないという。
その理由として、赤松氏は以下の6つを挙げる。
(1)危険レンズ用ガラスの溶解など、高温の材料を扱う作業があり、危険なので見学者が近づけない。
(2)スケジュール:溶解したガラスを板状にするための型に流し込む工程は、月に数回しか行われず、天候や気温によってスケジュールが変更されるので、見学の予定が立てられない。
(3)時間レンズ製造では時間のかかる工程が少なくないので、ダイジェストを見たほうが分かりやすくて面白い。
(4)立地:一貫した製造工程を見てもらうためには、離れた立地の複数の現場を訪れてもらわないといけない。
(5)スペースある程度のまとまった人数の見学者に対応できるほどのスペースが製造現場にない。
(6)見栄え:組み立て工程は、担当者一人ひとりが小さなブースの中で全工程をこなす「セル生産方式」を採用しているので、ベルトコンベヤーなどを用いた連続生産の工場のようには見栄えがしない。
おそらく、これらのいくつかに当てはまるような製造工程であれば、ほかの製品分野の場合でも、実際の工場見学よりバーチャルのほうが向くのではないだろうか。
「バーチャルレンズエ場」は「材料加工工程」「レンズ加工工程」「レンズ組立工程」の3パートに分かれ、それぞれに複数の映像コンテンツがある。
なかでも最大の見せ場は、「材料加工工程」。
増渦(るつぼ)で溶かしたガラスを板状に成形するために、平たい長方形の型に流し込む「キャスティング」と呼ば増渦(るつぼ)で溶かされて赤く輝く1300度のガラスを、型に流し込ん板状に成形するシーン。全編を通して最大の見せ場だというれる工程だ。
溶けたガラスが赤く輝くシーンは、1300度の高温の材料を扱う危険な作業。
C社内でも、この工程を見たことがある人は少なく、A氏も「このシーンの収録で初めて見た」という。
「レンズ加工工程」では、光学ガラスを加工して部品としてFlash技術を用いたスライドショー形式のコンテンツ。この「球面・非球面レンズ」のほか、「光学ガラスレンズ」「蛍石レンズ」「UDガラスレンズ」の合計4項目について解説のレンズに仕上げていく。
燃える炎の中でプレス加工してレンズ状に成形するなど、一般の人にとっては珍しい作業が多い。
「熟練工の手によってガラスをカット」「人の手でプレス」といったナレーションやテロップも印象深い。
こうして、1枚のレンズが出来上がる。
プロやハイアマチュアなど上級者向け製品のレンズは、工業技術と匠(たくみ)の技の融合によって作られているのである。
また、「インタビュー」では、工場で働く4人の技術者を紹介。
セル生産方式によるレンズ組み立てのリーダー、栃木県知事賞を受賞したレンズ研磨の「名匠」、製造ラインを立ち上げた技術者2人の合計4人が、それぞれ自らの仕事を熱く語っている。
「レンズギャラリー」は、レンズの基礎知識を解説するコンテンツ。
映像ではなく、スライドショー形式のFlashコンテンツで、「光学ガラスレンズ」「蛍石レンズ」「UDガラスレンズ」「球面・非球面レンズ」の4項目について解説している。
いずれの映像コンテンツもドキュメンタリー風で、まじめで面白い内容に仕上がっている。
各映像は1分半~6分半程度にまとまっているが、11個のコンテンツをすべて視聴するには35~40分程度はかかる。
「対象としては、広くカメラ好きな人と、中学生くらい以上の年代の光学に興味を持っている人の2つの層を想定。
企業ブランドを高めることと、広い意味での教育を意図した」(赤松氏)。
あえて"商売っ気,を排除し、ブランディングを最優先同社では、今回制作したコンテンツも含め、「Cカメラミュージアム」サイトを、「Cのファン、ものづくりに興味のある人、カメラに興味を持つ人に向けて、Cの企業価値を高めるための活動」(A氏)に位置づけている。
そのため、新製品のプロモーションなコミュニケーションセンタービとは対照的に、ウェブコミュニケーション部ウェブマネジメント課することに留意した。
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